※ NARUTO連載 睡蓮主人公










”チャクラを使えるようになるんだ!”とちゃんが言い出した事から指南役を命ぜられたナルトとサスケ。
訓練日初日、オレはその様子を身を隠して伺っていた。

───── あの調子じゃ無理だな。

が、説明する二人と説明を聞くちゃんの様子に直ぐにそう感じた。
それはいい、寧ろどうでもいい問題はそこじゃない。
確かちゃんはオレに相談があるって言ってなかったか?

「アタシも…同じ目線で同じ景色見てみたいなぁって。」

そう言いながら頬を染めて

「オレでもいいんデショ?」
「何が?」
「教えたりする事?」
「そりゃ…いいけど…。でも他にもやりたい事もあるし…。」
「覚えるのに時間掛かるかもしれない。それでもやる?」
「やる!時間掛かってもいいから覚えたい…。」
「仕方ないな…。」


指南役にオレを指名してくれたんじゃなかったのか!?

───── どうしてオレに何も言ってくれないんだか。

なのにオレには一言も言わず、三人でコソコソこんな場所でオレから隠れるように訓練するとは。
そっちがその気ならこっちだって手段は選ばない。
頃合を見計らい、オレは颯爽と登場して指南役を二人から奪い取ってやる事を心に決めた。

「ちょっと!チャクラの練り方も今ならもれなくついてくるけど!!」
「それだけじゃなぁ…。」
「なら簡単な術も1つ2つ?」
「もう一声!」
「っ奥義とかもちょっと…。」
「乗った!そういうのが欲しかったんだよね〜アタシ。」

そして、オレは自分の言葉(手段は選ばない)通り指南役を奪い取る事に成功したが。

───── これはアリなのかっ!?

ちゃんの中に在るチャクラの量が問題だった。
いや、量っていうか質?が問題というか論外というか意味が判らない。
一般人よりは多少多く、アカデミー生徒よりは少ないちゃんのチャクラ。
練り方とコントロールを教えれば直ぐに覚えた事から性質を調べてみようと紙を渡したのが失敗だったかもしれない。
ちゃんの手のひらに乗せた紙は

「えっ!?何これ何っ!?」
「オレと同じ質って事か。」

シワだらけになった。
それはつまり、ちゃんの性質がオレと同じ雷だという証。
ちゃんの性格からすれば火だと思ったんだが…って暢気に構えてられたのはそこまでだった。

「けどさ?切れたよコレ。」
「何言ってんのそんな訳な ───── いっ!?」

変化はそこで終わる事はなく、シワだらけの紙が鋭利な刃物で切ったかのように二つに裂けた。
その瞬間、オレの背中に嫌な汗が流れる。

───── いや、いくらなんでもそこまでは…。

最悪の事態。
正しくはオレの今後に最悪な事態を齎し兼ねない予感がした。

「つぅか燃えるのは解るけどさ?崩れるってどういう意味????紙が崩れるって何!?」
「ああ…………ほんと綺麗に崩れたもんだ……………。」

裂けて2枚になった紙の一枚は崩れ散った。
そして残りの1枚に火が灯り

「自動消火機能付き!?すっげー便利じゃね?」

どこからともなくじんわりと濡れ始め、火を消した。

「で?これってどういう意味?」

どういう意味?って聞かれても困る。
正直に”凄いよちゃん五大性質制覇だ!”って口が裂けても言える訳がない。
ちゃんがどれだけ横暴で凶暴だろうが所詮は一般人で女の子。
悪態をつかれようがどんな扱いを受けようが”上忍”という肩書きがオレを守ってくれている。
けれど、事実を言ったら最後それを駆使出来るまで色々教えろ!と言うだろうしオレは断れないだろう。
そしてちゃんは間違いなくそれを使いこなすだろう ────────── が、そうなった場合オレはどうなる!?
力の上下関係が逆転したが最後、オレはこれ以上どんな扱いを受ける事になるんだ!?

───── 冗談じゃないっ!

今だって限界崖っぷちの扱いだというのにその崖から突き落とされるような真似、誰が好き好んでそんな状況を自分で作るかっ!

「あー…っその。」
「何?どうなの?」
「マズイかもしれない。」
「えっ!?それどういう意味!?」
「性質が安定していない事に気付かないで暴走させて命を落とすって事が。」
「げっ!?マジ?」
「ああ………。」

そうでも言わないと暴走したちゃんに何されるか判らないし。

「アタシ、安定してないって事?」
「技が暴走する可能性が大きい。」
「えー…。」
「口寄せが目的なんだろ?」
「うんまぁ口寄せ出来たら面白いかなーって。」

そうか。オレはちゃんが求めた面白さを追求した結果に巻き込まれて命を粗末にするところだったんだな。

「安定するまでは無闇に練習しない方がいいな。」
「仕方ねぇか…アタシだって死にたくないし。」
「その代わり、口寄せだけなら教えるよ。」

パックンには悪いがオレだって背に腹は変えられない。

「パックンでいいか?」
「パックン所望しまーす!」
「じゃ、ここに………。」

取り合えず、口寄せの術を餌にオレは自分の身の安全を確保する事が出来た。

───── 後は………。

ちゃんが自分の持つチャクラの異常性に気付かれない気付かないよう気をつけよういやホント。










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ある意味チャレンジャーな人。努力実って口寄せだけで終了(満足)










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