※ BLEACH連載 睡蓮主人公










フラリ現れたギンちゃんに、アタシはずっと聞いてみたかった質問を思い切ってぶつける事にした。

「ねぇギンちゃん。抱き締めるならこうスッポリ腕に収まるサイズが好き?」
「どないしたん急に?えらい直球なんか遠回しなんかよーわからん質問やけど。」
「で、どうなの?」
「せやなぁ…。」

アタシの質問に素直に答えてくれようとしてるらしいギンちゃんは状況を想像してるんだろうか?
視線を宙に漂わせながらうーん…と考え込んでる横顔を見ながらふと気付いた。

「あっ!でも収まらなくてもいいかも!?ほら!チューするとき身長差がありすぎると屈まなきゃなんないし!」
「ちゃん、ホンマどないしたん?えらい積極的やなぁ今日は。」
「身長差ないと自然にチュー出来る方がやっぱりいいよ!あっでもこればっかりは好みの問題だし…。」

アタシとしては、腕にすっぽり収まるサイズもいいけど身長差のない自然な流れ…ってのも捨て難い。

「で?どっちが好み?」
「スッポリ収まるサイズの子が足場使って身長差無くす…ってのはどないやろ?」
「もっ、もっ、盲点だわっ!それイイ!!!」
「せやったらどっちでもええんと違う?」

ほら、こうやって…って言いながら、ギンちゃんはアタシを腕の中に収めた後何かを探してキョロキョロし始めた。

「何?探し物???」
「何…って言わなアカン?野暮やなぁちゃん。」

いやいや野暮なのは君だよギンちゃん。
アタシとしてはスッポリ収まるシロちゃんも捨て難いけど身長差のあんまり無い一護がオススメなんだよね。
あっでも身内びいきだから薦めてるんじゃないんだよ?
今なら絶対一護がオススメなんだよね今なら一護コロっとオチると思うからって親心?(違うか)
こないだ喜助さんにこっ酷く拒絶されたばっかで一護傷心だからチャンスなんだけどなぁ。

「男の腕の中で考え事やなんて余裕やなぁちゃん…。」

ん?男の腕の中!?

「しまった………忘れてたっ!」

ギンちゃんの衝撃発言でアタシはド忘れしていた大切な大っ切な事を思い出した。

「どないしたん急に?」
「アタシ大切な事忘れてたのっ!」
「大切な事…て何?」
「ギンちゃんて藍染相手の場合は受身だった…!!」

その瞬間、穏やかだったギンちゃんの表情が一遍、開眼した。ちゃん、最初から解りやすぅ説明してくれる?」
「おっ、怒んない?」
「怒ったりせぇへんよボク。」
───── ギンちゃん超怖ぇ!めっさ怖いよ開眼してる上に空気が怖いよ!

アタシは悟った、今は逆らわない方がいい…と。
そして、ギンちゃんの要望に応えるべく会話を最初からやり直してみた。
心の中で呟いた部分を口にして台詞はそのままのに。

「ねぇギンちゃん。抱き締めるならこうスッポリ腕に収まるサイズのシロちゃんが好き?」
「どないしたん急に?えらい直球なんか遠回しなんかよーわからん質問やけど。」
「で、どうなの?」
「せやなぁ…。」
「あっ!でも収まらなくてもいいかも!?ほら!チューするとき身長差がありすぎると屈まなきゃなんないし!」
「ちゃん、ホンマどないしたん?えらい積極的やなぁ今日は。」
「身長差ない一護と自然にチュー出来る方がやっぱりいいよ!あっでもこればっかりは好みの問題だし…。」
「で?どっちが好み?」
「スッポリ収まるサイズの子が足場使って身長差無くす…ってのはどないやろ?」
「もっ、もっ、盲点だわっ!それイイ!!!」
「せやったらどっちでもええんと違う?」

付き合いのいいギンちゃんは一言一句間違えず同じ台詞を返してくれた上、開眼は止めてくれたけど。

「人の抱える業の深さは計り知れへんわ。人間て生き物は一体何なんやろね…。」
「さぁ?」

そんなのアタシが知る訳ないじゃん…。










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腐女子という生き物と初めて遭遇した時、起こるべくして起きた事故(みたいな会話)。










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