閑.23.5 任務から戻ったオレの耳に、新たな噂が飛び込んできた。 「ちゃん。」 「なにー?」 「れんぽうのもびるすーつって何?」 彼女に対する賞賛とは思えない彼女の愛称とも言うべき呼び名。 それがオレの元に舞い込んできた。ただ、その意味の示す処が全く理解出来ない当たり さすがというか何というか。まぁ、それの良し悪しはともかくとして。 その噂の出所がアスマってのが気に食わない。だからオレはその真意を確認しようと ちゃんの元を訪れたのだが。 「モビルスーツは”Mobile Space Utility Instrument Tactical”の略、意味は”戦術汎用宇宙機器”byうぃき。」 「……………。」 「連邦が作ったモビルスーツが化け物並みの強さだった事から生まれた褒め言葉。」 「…………………………。」 ハッキリ言って間違いだった。何を言っているのか判らない以前の問題だ。 「正確に言うと、”連邦のモビルスーツは化け物かーーーー!”なんだけど。」 成る程。つまり化け物って事か。 「それとアスマとどう関係してるか?が知りたいんだけど。」 「つまり、その状況を体験したい。とな?」 「……………………ああ。」 「その間がものっそ気になるんだが?」 「凄く体験したいからお願い出来る?」 「おう!任せろこんちくしょーーー!」 って事で。オレはその恐怖を身を持って体験する事になるその日の夜。 「で、判ったか?」 「身に染みた。あれは…規格外どころじゃない。」 「だろう?」 「一体あの身体のどこにあれだけの量の酒が入るんだ!?ありえないだろ! しかも顔色一つ変えない表情も変わらないとかありえないだろ! あれは水か?水なのか?あの店は水出してんのか!?オレにだけ酒出してちゃんには水出してんだろ? 仕舞いに店のオヤジ何て言ったと思う?”もう酒が切れたんで勘弁してください。”だ! 何言ってんだ?仮にも飲み屋だろ!?っつーかマジでどんだけ飲んだんだよちゃん…。」 「支払いはどっちだ?」 「オレに決まってんだろ!」 「幾らだったんだ?」 「怖くて思い出せねーよ!!!!!」 こうして、オレはれんぽうのもびるすーつがいかに化け物か?を身を持って体験したのだった。 -------------------- 2009.04.06 □