01.真実は闇の中…それも相当濃いアングラ。 ”隣のクラスに転校生がやってきた” その話題でクラスは盛り上がってる…けど俺には関係ない、寧ろ興味がない。 小学校に通うという屈辱的状況(しかも一年生)に辟易としているっていうのに、 転校生の話題で一緒になって盛り上がりたくはない。 「ねぇコナン君!女の子なんだって!」 それが俺に何の関係があんだよ…。 「なぁコナン!見に行こうぜ?」 だから何で俺を誘うんだよ。 「そうですよコナン君!ほら!一緒に!」 ちょ!腕引っ張んなって! 「モテモテね…。」 オイ灰原、笑ってねぇで止めろよマジで。 「コナン君、博士が帰りに寄ってくれって言ってたわよ。」 「え?そうなの?」 「えーーホントなのかよー。」 「折角みんなで一緒に見に行こうと思ったのに…。」 「残念ね。ほら、行くわよ。」 っていうか灰原お前自分が行きたくないついでに俺に助け舟出しただろ…。 「じゃ、じゃあまた明日な!」 「コナン君バイバーイ!」 「また明日な!」 「それじゃ僕達だけで行きましょうか!」 それでも助かった事には違いなく、あゆみちゃんも元太も光彦も俺を誘う事はすんなり諦めてくれた。 「お礼は?」 「何で俺がお礼言わなきゃならないんだよ。」 「あら、助けてくれって言ったのは誰かしら?」 そんなやりとりが俺の日常。 何ら変化のない、これが江戸川コナンである俺の日常だった ────────── さっきまでは。 「……………。」 灰原の様子がおかしい。 普段なら言いたい事はハッキリ言うクセに何か言いたそうに俺をチラチラと見ては 「……………。」 俺と目が合うと視線を逸らす。 それを数回繰り返して 「何だよ。」 「………別に。」 会話は途切れた。 けれど、灰原はやっぱり俺を盗み見するようにチラチラと見ては俯いてブツブツ独り言を言っているようで。 「なぁ、何か俺に言いたい事があんじゃねぇのか?」 「っ…それは…。」 「図星かよったく…あからさまなんだよおめーの態度はよ。」 「私の勘違いかもしれない…から。」 「勘違い?」 どうにか口を割ったけど煮え切らない灰原。 マジでこいつどうかしちまったのか?いつもならズバズバ言いたい放題のくせに。 「言ってみろよ。気になる事があんだろ?」 「ええ、でも………。」 「でも…何だよ。」 「後悔すると思うの。」 「っ何でだよ。」 「本当に話していい?」 真顔で念を押され、俺は一瞬返事に詰まった。 「じゃ話すわよ…。」 「ちょ、やっぱまっ…。」 あんな顔で何度も念押しされたら素直に頷きにくいっていうか、返事もしない内に話そうとする事に疑問を覚え 「ちょ、ストップ!」 「あら…止めるの?」 「ちょっと考えさせてくれ。」 「止めるの?本当に止めていいの?」 っつぅかおめーホントは話したくて仕方ねぇんじゃねぇのか? 「わーったよ、話せよ聞きゃいいんだろ?」 「そうね、私の勘が外れてなかったらアナタに関係している筈だから。」 「俺が?」 「そう、アナタが関係しているわ。それもかなり深く。」 「それってまさか…。」 「組織は関係ないわ…多分。」 多分って何だよ多分って。 「ここじゃ何だから…阿笠博士の所でいい?」 「ああ…。」 なし崩しに丸め込まれた気もしなくもない。 けど、俺自身が関係する話なら聞かなきゃならないだろう。 ───── 嫌な予感がするな…。 俺は嫌な予感と一抹の不安を感じながら、灰原と共に阿笠博士の家に向ったのだった。 そして阿笠博士の家の灰原の部屋に通された俺。 「なぁ、下じゃマズイのか?」 「ええ、博士には見られない方がいいと思うの。」 「(一体何が出てくんだオイ…。)」 「これを…見て欲しいの。」 灰原はPCを立ち上げ、キーボードを少し叩いていたと思ったら俺に画面を見せた。 そこに映し出されていたのは 「これって…。」 「ホームページよ。」 「誰の?まさかお前の…。」 「違うわよ。偶然見つけた…んだけど。」 「”このHPは一次創作作品を展示する個人HPです”か。」 「一次創作っていうのは…。」 「んなの聞かなくても判るっつーの。で?これが何かあんのか?」 「ええ、問題はこの”一次創作作品”にあるのよ。」 「ENTER押せばいいんだな?」 「ええ、そうすればHPのメインページに行けるわ。」 どこにでもある、個人が作成した趣味のホームページだった。 これのどこに俺が関係して問題があるっていうんだろうか? その答えは灰原の言った通り展示されている”一次創作作品”にあるらしい。 「これを…読んで感想を聞かせて欲しいの。先ずはそこからね。」 「わーったよ読みゃいいんだろ読みゃ。」 灰原に言われるまま、何処の誰とも知らない奴が創作したという作品。 俺はそれを読んで ────────────────────────────── 。 (タイトル反転で何か出てくる仕様です。) -------------------- 2010.05.06 □ →