01.白いうさぎと黒いうさぎ…は二人で一人。



ローグタウンの路地裏にある”鍛冶屋ラビット”
その、鍛冶屋らしからぬ店名の由来は店主にあった。
一人は常に白いウサギの面を被り白いツナギを着用し、もう一人は常に黒いウサギの面を被り黒いツナギを着用している若い男。
この二人が店名の由来となった店の主”ホワイトラビット”と”ブラックラビット”である。
そんな”鍛冶屋ラビット”
店に常に居るのは”ホワイトラビット”だけであり、”ブラックラビット”は月に数回店に顔を出す程度だった。
”ホワイトラビット”と”ブラックラビット”が一緒に居る所を見た者は一人も居ない事から
”ホワイトラビット”と”ブラックラビット”は一人である、という者もいれば
”ホワイトラビット”は女であり”ブラックラビット”は男だ、という者も居た。

ローグタウンの路地裏にある”鍛冶屋ラビット”
その店が扱う各種武器刃物は質も値段も顧客様々だった。
”ホワイトラビット”の品は主に店に並び誰にでも手の届く品ばかりで、
”ブラックラビット”の品は店に決して並ぶ事はなく、誰もが簡単に手にする事が出来ない品ばかりだった。
”ホワイトラビット”の品が一般向けとすれば”ブラックラビット”の品は客を選ぶ。
客が品を選ぶのではなく品が客を見定め行き先を決めた。
”ホワイトラビット”の品が”身を守る為も物”だとすれば”ブラックラビット”の品は”命を奪うもの”だと人々は口にする。

それが、ローグタウンの路地裏にある”鍛冶屋ラビット”
”その店を知らぬ者などこの世界には存在しない”と言われている、それが”鍛冶屋ラビット”




(タイトル反転で何か出てくる仕様です。ウサギの面=被り物)
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2010.05.11