改めまして。
先ずはワタクシ(自称永遠の18歳)。
現在、受け入れ難い現実に直面しております。

目が覚めたら夢の中?
それともとうとう脳味噌沸いたか?
寧ろ沸いてしまった方が潔かった…。

と、思ってしまう場所に私は入り込んでしまいました。
折角ですからそれはどこか?説明しようじゃありませんか!

まずは今、私がいる場所は電車の中。
地下鉄でもJRでも特急でも新快速でも鈍行でもない、時の列車の中。

は?何フザケてんの?バカじゃねーの?

そんな突っ込みはもう済ませましたので、ご遠慮下さい。な場所。

ガタンゴトンな揺れなどない、程よい揺れ心地のこの電車の名前は”ゼロライナー”
そして!ここがポイント最大の見せ場です。
ワタクシ(自称永遠の18歳独身)は、私ではない別の人である上に、
人ではない者(しかもオッサンなのにオカン属性)へと成り代わっておったのであります。

「おいデネブ!」

しっかしなぁ、何でよりによってオデブちゃんになっちゃんてんだろう私。
どうせなっちゃうなら愛理さんだったりハナちゃんだったらウキウキ出来たかもしんないのに。

「聞いてんのかっ!?」

見た目はオッサンどころか正体不明のマントで、常にキャンディー持ち歩いてる黒基調に所々緑と黄色とか。

(嫌すぎる!!!)

性格的には?温厚っていうか穏やかっていうか、そんなオデブちゃんだし嫌いじゃないんだけど…
理由は判らないが、こういう状況に陥るならどうせならオイシイ想いしたい!と思うのが乙女かと思うし。
どっちかっていったら侑斗より良太郎の方が好きだったりするし、
何でこうなっちゃったんだろうなぁ…。
いっそモモになってた方が良かったかもしんない…と、うっかり状況説明(誰にだ!?)風に
現在の心境を一人ごちていたら

「痛い…。」

強烈…な筈なのにもう慣れた(?)痛みが後頭部に走る。
うん、これはアレだ。侑斗の怒りの鉄拳だ。が、ぶっちゃけそれどころじゃなかったりする。
登場(搭乗)場所は華麗にゼロライナーだった私。
覚醒というか、どうにか状況を飲み込んだ瞬間、私は侑斗に拉致されたのだ。

何処行くのかなぁ〜?
なんて暢気に考えられてたのは僅か5分足らずで。
着いて来い!ってツンな侑斗に連れられ、向かった先はよりによってデンライナー。

嗚呼この場合はキャンディー配らなきゃならないのかなぁ、だとか
やっぱり夢じゃなくてホントに起こってんだなぁ、と
感慨深く考えながら、現状を整理しながらそのまま軽く逃避したのがマズかった。

「ふぅん…確かに、オデブちゃんらしくないねぇ。」

私の正面、座って私を凝視してるのは野上良太郎ではなく野上U良太郎。
よりによってウラちゃんって、ひっじょーにマズイ気がすんだよね。
だから、私は私である事を今は端に置いて

「そんな事はないっ!」

オデブちゃんを装ってみる。
それよりも、何でいきなりデンライナーに来てんだろ。と、
侑斗に聞いたのもマズかった、うん墓穴。

「それより侑斗。今日は何用でここに?」

私の台詞にその場にいた全員が私を凝視する。
あ、あれ?もしかして私、さらに墓穴を掘ったの!?

「デ〜〜〜ネ〜〜〜ブ〜〜〜〜〜〜〜っ!」

うん、掘ったみたいだ。

「い゛だい…侑斗っ!?」
「お前が野上に用があるから着いて来てくれって言ったんだろっ!」
「そっ…そうだった…。」

おまけに

「確かに、今日のオデブちゃん何か変だよねぇ…。」

野上ウラちゃんの探るような視線が私を射抜く。
ちきしょう!よりによって何でウラちゃんが入ってんだよ良太郎に!
野上ウラちゃんじゃなくて野上モモちゃんだったら私だってどうにか出来…てないだろう。
っていうか、ウラちゃんがいる時点でマズいんだろうこれってば。

「ねぇねぇ!オデブちゃん!」

そんな時だった。
無邪気(KY)なリュウちゃんが私に纏わり着く。

「オデブちゃんさ、今何か憑いてるよね?ね?」

憑いてる?

「何を…」
「ああ、なるほどね。そんな感じかもしれないねぇ」
「はぁ?デネブに憑いて…って何言ってんだ全く。」
「ゆ、侑斗。帰ろう…か?」

私、まさか憑いてるモノ扱いされるのは想定外っていうか、論外っていうか。
状況は整理して、どうにか飲み込んでるけど、けどそこまでだ。
それ以上だとかこれからだとか考えてる暇もなかったし、
考える暇もないまま憑き物扱いされるのは勘弁して欲しかった。だから

「帰るぞ!」

そう言って、皆に背を向けた侑斗に習ってコレ幸い…と同じく皆様に背を向けて、

「お邪魔しました〜…。」
「オデブ!それ置いてけっ!」

私の背にそう投げかけるように叫んだモモちゃんに、
籠ごとデネブキャンディーを投げつけてデンライナーを後にした…のです。










-------------------- 2008.12.08