「いらっしゃいませ〜。」 こんばんは、ワタクシ(自称永遠の18歳)は本日も、 深夜のコンビニエンスストアにてアルバイト真っ最中。 つまり、のLvが2上がった!ピロリロリ〜ン♪(RPG風) と、頑張っている次第です。 思い起こせば数日前、良太郎くんと運命の出会いを果たし、けれど所詮は店員とお客様という ごくごく普通の関係というか、まぁそれっきりで終わる当たり前っちゃ当たり前の よくあるコンビニでの風景…とやらで終わる筈だったのですが。 「さんは今日もバイトですか?」 「良太郎くんこんばんは〜」 どうやら、あのおでんは無意識の餌付けとなったのか?良太郎くんはあれから頻繁に 深夜のコンビニへ顔を出してくれるようになり、(汚れたタオルをわざわざ洗って返しに来てくれたのを皮切りに) 本日も、お買い上げは缶コーヒー1本ではありますが、店の売り上げに貢献してくれるようになったのです。 そして、今日の良太郎くんは何やらいつもの5倍は輝いているといいましょうか、 何かを言いたいのか私を見てはモジモジモジモジとして見せ、 うっかり2度目のキュン死を想像させる表情と仕草で私の理性は崖っぷちを綱渡り。 これは、私のほうから何か話しかけるべきなのかどうか? と、モジモジ良太郎くんを前に悶々と思案していると、 「あの、これを渡そうと思って…。」 私に一通の封筒が差し出されました。 目にも鮮やかな真紅の封筒をチョイスした感性は如何なものか…とは思ったものの、 これはまさか…いやそんな!でも、もしや!! --- 果たし状!? 私は深く息を吸い込み、ゆっくり吐き出してそれを受け取り 「これは?」 恐る恐る尋ねました。 だって、もし本当にこれが果たし状だったら困るじゃないですか! けれど、私の杞憂は杞憂で終わました。 受け取った封筒の中身は、 「うちの…っていうか姉さんが喫茶店やってて…それで…姉さんが淹れるコーヒー凄く美味しいんで…もしよかったら…。」 な、なんと!? たった一枚のタオル(景品で貰ったタダタオル)がコーヒーチケットに変わるだなんて。 「ミルクディッパー?」 「あ…これ地図なんですけど…。」 「わざわざ描いてくれたの?」 「判り辛いかもしれないけど…。」 「ありがとう良太郎くん!是非伺うわ!私、コーヒー大好きなの!」 そう、私はコーヒーが大好きです。 でも、タダだからもっと好きです。 「僕、店でアルバイトしてるから…多分…居ると思うけど出来れば僕が居るときに来てほしいかも…」 「そう、じゃあ良太郎くんが居そうな時間に行きますね〜(昼間抜け出せるかなぁ…。)」 「ほんとですか!?っ…ちょっ…いきなりなに〜!?うっ…ウラタロ…」 綺麗な愛理さんと可愛い良太郎くんをはべらかし、飲むコーヒーはきっと美味しいに違いない。 私は侑斗の目を如何に盗み昼間ミルクディッパーへ行くか?を考える事に夢中で、 夢中になりすぎていて、良太郎くんの独り言に気付けず…。 「ほーんと、隅に置けないっていうか…そういう事ね。」 「そういう事ってどういうこっ!?」 「どうかした?」 「いっ…いえ…っその…あのですね?」 「何かな?」 この状況で、いきなりウラちゃんが登場してくとか、 想定してなかったといいましょうか誰も想像しねーだろフツー…。 それよりもそれよりも! ここは、目の前で変わってしまった良太郎くんに対して突っ込むべきなのかスルーすべきなのか? あからさまに別人格じゃねーか!な、ウラちゃんに今さっきまでのように話しかけるのは 不自然極まりない、と私は思うのですがどーでしょーか!? 「あっ、あっ、あのっ…」 「ん?」 「りょ、りょ、りょうた…ろう…くん?」 「ヤだなぁ。どうしたの?急に…。」 「ほっ…本当に良太郎くん?」 「そうだけど?」 ついさっきまでジーンズ姿だったじゃねーか!って突っ込んじゃマズイですか??? でも、突っ込むべきだと思うんです。思うんですがそんな勇者になれそうにありません、私。 「何か服、変わってませんか?」 「よくいわれるよ?」 「(そんな訳ねーーーーーっ!)」 「髪も伸びた…よう…な?」 「誤魔化して嘘ついて…偽ってこその人生だからね。その為かな?」 「(偽りすぎだろーーーーーっ!)」 「それより僕、君の事が知りたいんだけどダメかな?」 「(だが断る!)」 「ちゃん?」 「はいっ!?」 「ま、今日のところは…これくらいで許して あ げ る♪」 「ああああああああああああああありがとうございまっ…!」 「あ、僕の事は”ウラちゃん”って呼んで欲しいな。」 「良ちゃん…じゃなくてですか?」 「うん。良太郎だけど、ウラちゃん…っていうのが僕の愛称なんだ。」 「(どんな嘘だーーーーーっ!)」 「それじゃ、またね。」 「………………………。」 嵐は去っていった。 勝者は私…ではないと思いたいのですが、私じゃないですよね!? 良太郎くんとちょっぴり仲良くなれて嬉しかった。 ものすごーく嬉しかったんだけど、ウラちゃんは別問題なんです! 私の生活を脅かすとすれば、それは多分ウラちゃんに違いないからなのです! ウラちゃんが嫌いな訳じゃないんです。 ただ、ウラちゃんは危険(と書いて妖しいと読んでもよし)な雰囲気がムンムンじゃないですか。 私が最初にオデブちゃんとして電ライナーに行った時、 オデブちゃんな私の異変に気付いたのはウラちゃんだった。 だから平穏な暮らしを願う私にとって、ウラちゃんは危険過ぎるのです。 なら、どうするべきか?私はどうするのが一番か? と、考えて考えて考え抜いて一つの答えを導き出しました。 --- 今日の事は…。海に流していいですか!?-------------------- 2009.02.25 ← □ →